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新型コロナウイルスは私たちの働き方に大きな影響を及ぼしました。リモートワークが普及するなか、多くの企業が海外の従業員や顧客とつながるための画期的な方法を模索しています。グローバル企業ではマルチメディア ツールを使用するケースが増えています。社員向けに重要なメッセージを伝える、eラーニング モジュールを開発する、多言語マーケティング キャンペーンを展開するなど、用途もさまざまです。
ビデオ制作や翻訳を手がけるローカリゼーション サービス プロバイダー (LSP) と連携する際、お客様にも専門用語の知識があれば自社のニーズを的確に伝えることができます。本記事では、ライオンブリッジの専門家がマルチメディア ローカリゼーションの現場でよく使われる用語を取り上げ、定義やニュアンスの違いについてわかりやすく解説します。
セリフを翻訳し、音声トラックに合わせて画面上に表示したものが字幕です。一方クローズド キャプションとは、セリフ、効果音、音楽など音声トラックのすべての情報を文字に起こしたものを指します。
Netflix などのストリーミング サービスが世界中で台頭してきたことで、字幕の需要が世界的に高まっています。
質の高い字幕は、通常の翻訳はもちろん字幕翻訳ならではの技術をマスターした熟練のプロが手がけており、視聴者に対して画面上の文字によるストレスが最小限になるように工夫されています。
字幕とは異なり、キャプションは翻訳ではありません。純粋に音声を書き起こしたものです。聴覚障碍者や難聴者のためのツールであり、効果音や音楽のほか、話者を特定するテキストも対象となります。キャプションは通常、コンテンツが視聴媒体に公開された後に加えられます。
オープン キャプションは動画内に埋め込まれているため、非表示にすることができません。クローズド キャプションでは、画面上の表示を視聴者がオン/オフにできます。
American with Disabilities Act (障碍を持つアメリカ人法) により、生放送のニュース、コマーシャルなどすべての公共のマルチメディアに対してクローズド キャプションの設置が義務付けられました。
トランスクリプションとは、対象の媒体に含まれるすべての音声コンテンツを転写した文書のことです。一方、キャプションはマルチメディア音声トラックを画面上に表記したもので、メディアにリアルタイムで表示されます。
主な違いは、クリエイティブに作り込むかどうかです。ボイスオーバーは基本的に、スクリプトを過不足なく翻訳したものを 1 人が読み上げ、原音に重ねて流します。一方、吹き替えでは音声を差し替え、複数の声優をキャスティングする必要があります。収録した音声を映像のキューと一致させる作業 (リップシンク) も頻繁に発生します。
ボイスオーバー (V/O) は、ナレーション用に収録された音声を示す一般的な用語ですが、ローカリゼーション業界では、翻訳を単独で読み上げる 1 名の声優を意味します。これは「UN スタイル」とも呼ばれます。吹き替えとは対照的に、ソース コンテンツの正確な翻訳に重点が置かれ、ボイスオーバーの背景で原音が聞こえます。
吹き替えは高度に作り込むクリエイティブな作業です。質の高い吹き替えを制作するには、まず収録という観点で、画面上のキャストにふさわしい声優を確保しなければなりません。翻訳という面では、過不足のないシンプルな翻訳以上のクオリティが求められます。画面上の俳優の動きに合わせて翻訳を調整することも少なくありません。
リップシンクは、吹き替えの制作工程において必要に応じて行います。視覚的な動きを念頭に置いてスクリプトを翻訳しても、収録した吹き替え音声と画面上の俳優の口の動きが合わないこともあります。そうした場合にリップシンクを施すことで、吹き替え特有の違和感を大きく軽減できます。具体的には、画面上の俳優の口の動きを観察し、音と口の形が一致するよう翻訳を調整します。
以上、マルチメディア ローカリゼーションに関する用語について、理解を深めていただけたかと思います。今後はマルチメディア技術を活用しながら、世界中のオーディエンスとのつながりを意義あるものにしていきましょう。
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