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本記事は当社の「グローバル デジタル マーケティングの未来」ブログ シリーズの第 1 部です。多くの企業が複数の市場やマルチチャネルにおいて一貫性のあるエクスペリエンスを求める中で、新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックがデジタル化とデジタル マーケティングに与える影響について考察します。
消費者の購入習慣について考えてみましょう。新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウンの実施や実店舗の閉店を受けて、多くの消費者がオンラインでの購入に移行した現象をほとんどのリテール業者の方々がご経験されたことでしょう。多くの地域で制限が緩和され始め、消費者は再び実店舗に足を運ぶようになりましたが、オンライン ショッピングについては新型コロナウイルス前に完全に戻るような兆しは見られません。
TotalRetail によると、消費者の 65% は 2022 年の春までオンライン ショッピングをさらに頻繁に利用し、消費者の 20% は 5 年以内にオンラインでの購入のみに切り替えることを予定しているとのことです。デジタル マーケターは、このトレンドをフル活用するために、新たな角度からグローバルなコンテンツ マーケティング戦略を検討しなければなりません。
デジタルファーストの時代、リテール エクスペリエンスは実店舗での買い物からオンライン ショッピングへと一気に移行しました。しかし、実はこの傾向はパンデミック以前からすでに見られていました。新型コロナウイルスによってそれが大幅に加速したのです。先を見据えた多くのリテール業者は、すでにデジタルファースト時代の枠組みに移行を済ませています。これには、マーケティング部門とローカリゼーション部門の両方にまたがる全体的なコンテンツ サイクルの採用が欠かせません。
この新しい仕組みにより、ローカリゼーションにかかわる次のような重要な課題に対応することができます。
このような取り組みをうまく実行に移せるかどうかは、企業の財務パフォーマンスにとってきわめて重要になります。
世界市場を対象とするオンライン ショッピングでの売上を伸ばすには、当然ながら、さまざまな言語を話すオンライン上の消費者のニーズを満たすコンテンツ戦略が必要です。しかし、多くのリテール業者はこれをうまく実践できていません。たとえば、Stripe の「The State of European Checkouts in 2020」によると、ヨーロッパ地域のサイトで調査された精算プロセスの 74% は現地の言語に翻訳されていませんでした。このようなミスにより、カスタマー ジャーニーの最後の段階でバウンス率が上昇してしまう結果となりました。これは絶対に避けなければならないシナリオです。
包括的なエンド ツー エンドのコンテンツ制作プロセスを採用し、ローカリゼーション部門とマーケティング部門との円滑な連携を実現している企業のお客様は、ライオンブリッジの新たなデジタルファースト環境において、オンライン販売による売上を最大限に高めるための効果的なグローバル ローカリゼーション戦略を導入するための準備が整っていると言えます。
デジタルファーストの枠組みに移行するには、全体的なコンテンツ制作プロセスを採用する必要があります。この概念を導入するには、マーケティング チームとローカリゼーション チームが互いに協力し、同じプロセスとツールセットを使ってローカリゼーション業務に取り組む必要があります。まったく新しい方法での作業、そして最も重要な重要業績評価指標 (KPI) としてコンテンツのパフォーマンスが取り上げられるため、この概念は基本的であるだけでなく、非常に画期的なものです。
コンテンツ制作プロセスは、ローカリゼーションとマーケティングのいずれにおいても非常に重要な作業です。Web サイト コンテンツ制作の体系的なアプローチ、共通の言語ガイドラインと言語資産があれば、容易にローカライズ可能な魅力的な Web サイト コンテンツの制作に大いに役立ちます。こうすることで、ブランド メッセージに集中して取り組めるようになるためです。さらに、用語の一貫性や言語についての質問に事前に対処することで、作業時におけるローカリゼーション チームと翻訳チームの負担を軽減し、良い成果に導くこともできます。プロセスの最初の段階で適切にローカライズされた丁寧なコンテンツの制作に集中することで、後の段階で手間をかけずに高品質の翻訳を得られる可能性が高まるため、コンテンツの書き直しや調整の手間を省くことができます。
かつて、多くのコンテンツ制作プロセスはまとまりのないものでした。マーケティング チームとローカリゼーション チームのスケジュールや予算は異なり、別々のツールを使っていることがよくありました。この習慣により目標にずれが生じ、プロジェクトが遅れたり、ローカリゼーションのやり直しが必要になったりすることがよくありました。会社の成長にローカリゼーションが必須となるデジタルファーストの時代において、このやり方は成功を阻害する要因となります。
ローカリゼーションとデジタル マーケティングの両業界をリードするライオンブリッジは、これまでさまざまな業界で成功を収めているリーダー企業のお客様と密接に連携してきました。当社はこのような立場から、さまざまな業界のお客様がこの全体的なアプローチを採用するのを支援し、ともに経験を積み上げてきました。これまで、注目に値するすばらしい取り組みを見てきました。
全体的なコンテンツ ライフサイクルを採用している多くの企業では、コンテンツ制作チームとローカリゼーション チームとの間にある壁を取り除き、より短期間でより高品質のコンテンツを制作しています。地域の特性に合わせ、高度にパーソナライズされたデジタル エクスペリエンスによって、消費者のあくなき欲求を満たす備えもできています。
ライオンブリッジではさまざまな経験をもとに、ローカリゼーション プロセスを強化するために企業が採用すべき汎用的なコンテンツ ライフサイクルと、一連のベスト プラクティスを開発しました。この 8 ステップのコンテンツ制作プロセス ライフサイクルには、マーケティングとローカリゼーションにおける最も重要な業務がまとめられています。
次に示すように、このコンテンツ制作プロセスには、最初のコンテンツ プランニングから最後のパフォーマンスの追跡に至るまで、カギとなる重要な段階がすべて含まれています。これらには、コンテンツの制作、言語サービス プロバイダー (LSP) へのコンテンツの送信、コンテンツの変換、コンテンツの翻訳、コンテンツの向上、コンテンツの納品があります。
これら 8 つの段階に加えて、コンテンツ制作プロセスは、マーケティング部門とローカリゼーション部門のそれぞれの通常業務に基づいて、次に示す 2 つの部分に分類することができます。
1. コンテンツ制作プロセスにおけるマーケティングの部分は、段階 1、2、8 (コンテンツのプランニング、コンテンツの制作、パフォーマンスの追跡) です。これらの作業は、ローカリゼーション チームによる業務に備えるものです。マーケティング チームがコンテンツ制作のガイドラインと言語資産を開発できれば、ライターは魅力的な Web サイト コンテンツを作成し、ローカリゼーション チームは質の低い資料に起因する煩わしい追加作業 (誤りの修正など) を省けるようになります。
2. コンテンツ制作プロセスにおけるローカリゼーションの部分には、段階 3 ~ 7 (コンテンツの送信、コンテンツの変換、コンテンツの翻訳、コンテンツの向上、コンテンツの納品) が関係します。これらの段階で各作業を正しく行うことで、マーケティング活動の効果が高まります。適切に翻訳されたコンテンツは、機械翻訳されたコンテンツよりも検索結果で上位に表示される傾向にあります。コンテンツのさまざまな部分で一貫した用語を使えば、検索エンジン最適化 (SEO) の効果も高まります。
マーケティングとローカリゼーションは、コンテンツの「陰と陽」と捉えることができます。いずれも、全体的に切り離せない重要な役割です。これらの役割は、会社がさまざまな言語のオーディエンスに伝えたいと考えているメッセージを形成することで互いを支え合っています。具体的には、一貫性のある洗練された用語、スタイル ガイドの使用、言語データ ポイントの追跡などの作業を通じて行われます。読みやすさや言語面での多様性は、消費者側でのメッセージの受け止め方に大きく影響を及ぼします。
マーケティング チームとローカリゼーション チームが連携することで、コンテンツ自体だけでなくローカライズされたバージョンの品質も向上し、ローカリゼーションとコンテンツ制作のプロセスにおける諸問題の解決にもつながります。さらに、このような連携は会社の投資収益率 (ROI) の向上にも貢献します。部門間の連携がないことで生じる予算外の追加コストを抑え、最も重要である「成果」に焦点を当てることができるためです。マーケティング チームとローカリゼーション チームが同じプロセスに従うことで、部門間の壁を取り去り、連携を強化できるようになります。
通常、多くの企業では、作業対象とするコンテンツと制作が必要になるコンテンツの量を最初のプランニングの段階で決定することで、全体的なデジタル コンテンツ戦略を細かく調整します。
ここで、特定の市場向けに多くのコンテンツを制作するか、少ないコンテンツで多くの市場に対応するかという「トレードオフ」の関係にある選択を迫られることがよくあります。マーケティングとローカリゼーションの予算をまとめることで効率が向上し、同じ予算でより多くのコンテンツを制作できる可能性が高まり、より多くの対象市場により多くのコンテンツや、より詳細な内容を配信できるようになるでしょう。
このような効率向上は、統合型のテクノロジー スタックや合理化されたプロセスを活用することで実現できます。さらに、言語に関連する新たな手法や近年の AI テクノロジーの進化により、コンテンツのパフォーマンスを、可読性スコア (読みやすさのスコア) や用語の多様性などの言語品質指標に結び付けることができるようになりました。これらの指標は、パフォーマンスが期待を下回る可能性があるコンテンツを見分けるのに役立ちます。その結果に基づき、各チームは市場投入やローカリゼーションの前にコンテンツを適宜修正できます。このような実践的なインサイトに基づいて、プランニングの段階でコンテンツの品質向上を視野に入れている企業は、コンテンツ制作プロセスの後半でコストを削減できるだけでなく、投資が必要なコンテンツを見分けることもできるようになります。
コンテンツ制作のプランニング段階においてマーケティング チームとローカリゼーション チームの合意を取り付けることはとても重要です。これには、コンテンツ制作に関するプロセスの統合とガイドラインの作成が含まれます。もちろん、それだけではありません。マーケティング チームとローカリゼーション チームは、さらに営業チームとの合意を取り付け、協力を得る必要もあります。ローカリゼーション、マーケティング、営業の各チームがこの段階で足並みを揃えることで、すべての目標を達成して全体的な成功を収めるための準備が整います。
コンテンツ制作の各段階を適切に実施してコンテンツ管理を強化すれば、ガイドラインに準拠しないコンテンツが誤って次の段階に渡されるような状況を防ぐことができます。このような取り組みにより、一つの問題が他のすべての言語に拡散されることを防ぎ、やり直しをなくしてローカリゼーション コストを抑えることができます。
コンテンツ制作プロセスにおける影響力の大きい段階の一つとして「パフォーマンスの追跡」が挙げられます。コンテンツ制作全体から得たインサイトとデータを次のサイクルの初期段階で参照し、コンテンツ業務のプランニングと予算編成に活かすことができます。たとえば、アーチェリーの競技では、遠いところから的を狙って矢を射った後に、近くに行って矢が標的に当たったかどうかを確認します。当たっていなければ、技術を磨いて結果を改善する必要があります。
この段階では、コンテンツ制作、ローカリゼーション、キャンペーンのコストを追跡します。このデータをもとに ROI モデルを構築すれば、インターナショナリゼーションの取り組みにおいて最も効果的なマーケティング・ローカリゼーション業務に投資することが可能になります。全体的なコンテンツ制作プロセスをうまく管理し、ローカリゼーション、マーケティング、営業の各部門の足並みを揃えた企業だけが、そのようなモデルを構築し、コンテンツ関連の業務、見込み顧客に関する予測、営業収益の関係性を分析することができます。
全体的なコンテンツ制作プロセスの一元管理は手ごわい作業に思えるかもしれませんが、わずかな変化でもデジタル マーケティング戦略の結果に大きな影響を及ぼすことができる可能性があります。やり直しのコストを減らし、パフォーマンスの高いコンテンツを見分けることができれば、このアプローチを導入する努力が報われることになります。
ライオンブリッジでは、今後もデジタルファーストの時代において成長を目指すお客様をご支援し、多言語コンテンツのニーズを満たす各種サービスをご提供してまいります。当社のデジタル マーケティング ブログ シリーズでは、今後次のようなトピックを中心とした記事を掲載する予定です。
当社の今後のブログ記事にご期待ください。当面は、当社のデジタル マーケティング ページにて、あらゆる市場でリーチを拡大することで、オンラインでの売上を伸ばす方法についてご覧ください。
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