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Web サイト ジオターゲティングのベスト プラクティス

適切な Web サイト コンテンツを適切なオーディエンスに届けるための重要な 4 つの分野

Web サイトのジオターゲティングとは

御社では Web サイトのコンテンツを意図した市場に正しく提供できているでしょうか。適切なコンテンツが適切な地域で表示されるようにするプロセスをジオターゲティングと呼びます。これはグローバル デジタル エクスペリエンスを強化し、潜在顧客の心を捉え、売上につながる可能性を高めるうえで欠かせない戦術の一つです。

たとえば、ドイツ語を話すスイスの顧客とドイツ語を話すドイツの顧客の両方に向けてドイツ語のコンテンツを提供している場合であっても、それぞれの地域に向けてカスタマイズされた異なるコンテンツが表示されていれば、Web サイト ジオターゲティングによるマーケティング イニシアティブが成功していると言えます。こうした Web ページでは、同じ言語であっても語彙、構文、通貨の表記などがそれぞれ異なるためです。特定の地域の顧客との関係構築や強化には、こうしたあらゆる要素が重要となり、些細な違いでも信頼の低下につながる可能性があります。

ジオターゲティングが重要な理由

ジオターゲティングの取り組みの有無が、コンテンツの投資収益率 (ROI) に大きく影響する場合があります。たとえば、予算の多くを英国向けコンテンツに投資していながら、ジオターゲティングが適切に行われていないことで英国市場向けに米国向けのコンテンツが表示されれば、英国の潜在顧客とつながりを築くチャンスを逃していしまい、せっかくの投資が無駄になることも考えられます。

逆に、Web サイトのジオターゲティングが適切に行われていれば、コンテンツへの投資を十分に活かすことができます。Web サイト ジオターゲティングのベスト プラクティスとメッセージのパーソナライズを組み合わせることで、現地のビジネスと同様に、その地域の文化的要素に適合したブランドであることをアピールすることができます。特定の国や地域の顧客に、その地域向けに作成・カスタマイズされた適切なコンテンツが表示されれば、そのコンテンツによるコンバージョン率は高くなる可能性があります。意図した顧客層に適切なサイトを訪問してもらうことで売上が向上すれば、投資の効果を十分に得ることができます。

Web サイト ジオターゲティングの実践の難しさ

ジオターゲティング (ロケーション ターゲティング) のメリットを理解することは簡単ですが、その実践は容易ではありません。

「ジオターゲティングを適切に行うのは非常に困難です」と、ライオンブリッジのグローバル検索エンジン最適化 (SEO) の専門家であるブレンダン ウォルシュは言います。さらに、「以前は、適切なソリューションを実践していた企業を見たことがありませんでしたが、現在では、10 ~ 15% の企業が適切なソリューションを取り入れています」とも言っています。

ウォルシュの見る限りでは、Web サイトの訪問者に適切なページを表示し、マーケティングの取り組みを改善するうえで、ジオターゲティングに注力することの重要性が企業で認識されるようになってきています。しかし、適切な実践までにはまだ長い道のりがある企業がほとんどです。

技術的な問題やローカリゼーションの問題がジオターゲティングに影響を及ぼす場合があります。ウォルシュは、ジオターゲティングを適切に行ううえで、4 つの重要分野をチェックすることを推奨しています。それにより、Web ページに適切なトラフィックを誘導することができ、マーケティング キャンペーンの強化につながります。

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1. アーキテクチャ

Web サイトのアーキテクチャはジオターゲティングに大きな影響を及ぼします。

まず検討する必要があるのは、トップレベル ドメイン (TLD) です。TLD とは、ドメイン名の最後の部分です。

.com、.net、.org などの一般的なグローバル TLD を使用している場合、それが企業または会社のサイトであることはわかりますが、地理的な場所は明らかではありません。.uk、.fr、.ca などのローカル TLD を使用している場合は、それぞれ英国、フランス、カナダなど、訪問しているサイトの国を明示していることになります。

ドメイン名が Web ページのジオターゲティングに重要なのは、Google ではそれを使って、それぞれのページがどの市場に向けたものであるかを判断するためです。ローカル TLD を使用していれば、Google が容易に対象の市場を判断できるため、目標達成への一助となります。

全般的に、言語や国をベースとしたサイトではジオターゲティングの負担が軽くなりますが、グローバル TLD を使用する場合と比較すると、こうしたすべてのサイトを管理する負担がより大きくなることがあります。

グローバル TLD を使用する場合は、技術的な情報を組み込むことで、Google がどの市場向けに表示するページであるかを判断しやすくする必要があります。そのためには、サブドメインやサブディレクトリを使用して、それぞれの言語/国に向けたコンテンツを分けます。いずれの方法でもうまくいきますが、サブディレクトリの方が管理が容易です。

米国がターゲットの場合にはグローバル TLD を使用し、それ以外の各市場向けにはローカル TLD を使用するといったハイブリッドな使用方法も一般的ですが、このアプローチでは Google による適切なオーディエンスへの適切なページの表示が難しくなるため、問題が生じる場合もあります。問題となるのは、.com ページはローカル TLD で対応している市場も含めた全世界を対象するため、自社の Web ページ同士で競合が生じる場合です。グローバル TLD にはより多くのコンテンツやバックリンクが含まれる場合があるため、Google によって、単一市場のオーディエンスに対して特定の市場向けに作成されたページではなく、米国用のページが誤って表示されることがあります。必要な時点で適宜介入することで、Google によるページと対象オーディエンスの適切なマッチングを促進することができます。

地域別の Web ページと .com ページの間に競合が発生しているかどうかを判断するには、各対象市場とその地域の言語で会社名 (またはその他のブランド用語など) を検索します。同じ検索結果に複数の言語版の御社のページが表示される場合は、hreflang タグの使用を検討する必要があります。

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2. hreflang タグを活用する方法

御社の Web サイトでは hreflang タグを使用しているでしょうか。hreflang タグはあらゆるケースで必要なものではありませんが、アルゼンチンのスペイン語とメキシコのスペイン語など、複数のバージョンがある言語の場合は使用する必要があります。

hreflang タグは、Web ページの言語と地域を検索エンジンに伝えるための HTML 属性です。hreflang タグは 2011 年 12 月に Google によって導入され、これにより、検索エンジンが検索を実行しているユーザーに最適なコンテンツを提供できるようになっています。たとえば、米国フロリダ州で検索をしている人には、アイルランドのダブリンが対象の英語のテキストではなく、米国のオーディエンス向けの英語のコンテンツが表示されます。

hreflang タグを最大限に活用するためのチェックリストを以下にまとめました。

hreflang タグの使用に関するチェックリスト:

  • hreflang タグはローカライズ版のすべてのページに適用します。
  • 同じ言語版のページごとに同じ hreflang タグを使用します。ページ上でこのタグを省略すると、検索時に競合する複数のコンテンツが Google で表示されることになります。hreflang タグで別の市場向けのページであることが示されていれば、Google で複数のコンテンツが表示されることはありません。
  • 自己参照タグを使用して、そのページの言語/地域を Google が判断できるようにします。
  • ページ上のコンテンツの言語を反映したタグになっていることを確認します。
  • 全般的に ISO のファイル形式に準拠した適切な言語コードを使用します (簡体字中国語、繁体字中国語、ラテンアメリカのスペイン語のような若干の例外があります)。
  • x-default は包括的なソリューションとして使用し、部分的には使用しないようにします。国際的なランディング ページを示す x-default hreflang 属性を使用すると、Google アルゴリズムに対して、そのページが特定の言語やロケールを対象としたものではなく、既定のルールのいずれにも一致しない、適切な選択肢がないユーザー向けのデフォルト ページであることを伝えることができます。
  • ユーザーの国がルールに登録されていない状況で、そのユーザーに対して最適な言語のページが表示されるようにするには、ほとんどの場合は言語フォールバックを使用します。
  • リダイレクトや 404 エラーが発生するリンクは無くしましょう。

3. 言語/地域の選択ツール

多言語の Web サイトにアクセスしたことがあれば、言語/地域の選択ツールを見たことがあるでしょう。ユーザーはこのツールにより、希望の言語を選択して、その言語のコンテンツを表示できます。これは Web サイトの最適化に非常に効果があります。

適切に作り込まれた言語/地域の選択ツールは SEO 強化にも役立ちます。国際的なページをボットが発見してクロールしやすくなるためです。また、サイトの内部リンクにもプラスの影響があります。

もっとも重要なのは、このツールにより、ユーザーが言語を切り替えた場合でも、スムーズなサイト閲覧を継続できることで、対象オーディエンスに優れたユーザー エクスペリエンスを提供できる点です。優れたユーザー エクスペリエンスはコンバージョン率の向上につながります。

しかし、このツールの最適化を軽視している企業がほとんどです。内部リンクの持つ可能性や効果に気付いていないのです。当社でお客様の Web サイトの技術的な分析を行う際には、言語/地域の選択ツールが使用されているかどうかを特にチェックしています。

言語/地域の選択ツールを最大限に活用するには、以下の点が重要です。

  • デスクトップとモバイル デバイスの両方で使用できるようにします。
  • サイト上の目立つ位置に表示します。
  • href 属性を使用して、ボットがクロール可能なリンクにします。
  • ページからページへの切り替えができるようにして、ユーザーが別の地域/言語を選択したときに、その地域/言語の同じページが表示されるようにします。
  • すべての言語と国のオプションを用意します。

ユーザーが言語選択ツールで選択した地域のホームページにリダイレクトされる場合は、Web サイトのユーザー エクスペリエンスとテクニカル SEO を改善できる余地があることを示しています。

4. ローカリゼーションとコンテンツの分析

ユーザーは自分の母語で買い物をしたいと思うものです。

29 か国の消費者 8,709 人を対象に行われた調査では、以下の結果が報告されました。

65%

の購入者は、コンテンツに多少の誤りがあっても、現地語でコンテンツが提供されている製品を好んで購入する。 

66%

のユーザーは、他の言語で提供されている製品を評価する際に、オンラインの機械翻訳 (MT) を利用する。

40%

の消費者は、他の言語で説明されている製品を購入しない。

(出典: 「Can’t Read Won’t Buy — B2C (読めないなら購入しない — B2C)」、CSA Research、2020 年 6 月) 

これを踏まえれば、情報は消費者の母語で提供すべきと言えます。しかし、翻訳の品質はどうでしょうか。ものによってその価値は異なりますが、コンテンツによっては他の種類のコンテンツよりも翻訳の品質を高くすることが重要になります。たとえば、社内向けのコンテンツであれば完璧とは言えない翻訳でも問題ないかもしれませんが、外部向けの特定のコンテンツでは完璧な翻訳が必要になります。

重要なコンテンツにはしっかりと投資し、ユーザーのコンバージョンに関連しないコンテンツへの投資は抑える必要があります。検討すべき言語サービスにはいくつかの選択肢があります。

  • 翻訳 — Web サイトの翻訳は基本的なサービスです。サイト全体を翻訳することで、ユーザーとのつながりを築き、コンバージョンにつなげることができます。
  • ローカリゼーション — Web サイトのローカリゼーションはさまざまな状況でその力を発揮しますが、特に複数のバージョンを持つ言語版のサイトに適しています (同じ言語で異なる国や地域向けのページがある場合は、対象オーディエンスごとにそれらのページをパーソナライズします)。
  • 最適化 — Web サイトのコンテンツ最適化サービスは、検索結果において高いパフォーマンスを発揮する必要があり、ユーザーのコンバージョンに深く関連する高価値のコンテンツに最適です。
    • 標準的な最適化にはキーワード調査と翻訳済みコンテンツの最適化が含まれており、検索で優れたパフォーマンスを達成する必要のあるページに適しています。
    • 高度な最適化には緻密な SEO 調査と調査結果に基づくコンテンツのトランスクリエーションが含まれており、検索で優れたパフォーマンスを発揮する必要があり、収益およびコンバージョンに直接つながる金銭的価値の高いページに最適です。

このプロセスでは、メタデータ (タイトルおよび説明) を必ず含めるようにします。ビジネス上の成果に重要なページでは、メタデータがページのコンテンツの中でユーザーが最初に目にするものになります。

最後に、Web サイトのジオターゲティングに関するベスト プラクティスを実践する際には、各ページのすべてのコンテンツが一つの言語に統一されており、複数の言語が混在するページがサイトに含まれていないことを確認してください。

Web サイト ジオターゲティングを完璧に実践するためのライオンブリッジのサービス

当社では、長年の経験を通じて積み重ねてきたジオターゲティングの知識と実績を活かし、言語サービスの一環として Web サイト ジオターゲティング ソリューションを多くのお客様に提供しています。

当社は企業におけるジオターゲティングの取り組みの有効性を分析するだけでなく、(hreflang タグを使用して) 各地域のサイトマップを作成するツールや、Adobe Experience Manager (AEM) に対応する hreflang タグを生成するツールといった独自のツールを使用して、ジオターゲティングに関する問題に対処しています。これらは、他の言語サービス プロバイダーでは提供されていない、当社独自のサービスです。

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適切なユーザーに適切な Web ページを確実に届けるための Web サイト ジオターゲティングについてご興味があれば、ぜひ当社までお問い合わせください。ジオターゲティングを効果的に導入する方法や、当社が提供するサービスについて詳しくご説明いたします。

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ブレンダン ウォルシュ、ジャネット マンデル
著者
ブレンダン ウォルシュ、ジャネット マンデル
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