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オンサイト通訳者の役割とは?

法的業務において通訳者が力を発揮する場面

言語の多様性により、豊かな文化が創られることは多いですが、 法廷では、ただでさえ複雑な問題が言葉の壁によってさらに複雑になってしまいます。たとえば、米国ではほとんどの人が英語を話しています。それでも、英語は現在米国に居住している人が話す 350 以上ある言語のうちの 1 つに過ぎず、4100 万人の米国住民がスペイン語を母語としています。ロシアでは、ロシア語を母語としない人口が全体の約 1/6 に上ります。インドの法廷では英語が共通言語ですが、2011 年の国勢調査によると英語を話すのは全人口の約 10% に過ぎません。

法廷に出廷したり宣誓供述を行ったりする人物が話す言語と弁護士が話す言語が異なる場合、双方の理解に隔たりが生じます。結果的に正当性や正確性、目前の訴訟の理解において妥協せざるを得なくなります。

法廷通訳のその先へ

法務通訳者は法廷弁護士やその他の関係者との対面通訳に対応し、必要なときに必要な場所で高品質な通訳サービスを提供することで言語の壁を打ち破ります。通訳は電話越しでも行うことができますが、大半のプロの通訳者は実際に出廷し、宣誓供述に立ち会ったりしています。英語が飛び交う法廷や法的手続き、法的準備でも、英語能力が十分でない人物が意味を明確に理解できるよう世界中でサポートします (たとえば中国では、参考人の事情聴取において、英語を話す弁護士のサポートを通訳者が行っています)。もちろん、世界中のネイティブ言語を話す人とそうでない人の言葉の壁を取り除くために活躍している、法律を専門としない通訳者にも同じことが当てはまります。

法廷通訳者は法的手続きのあらゆる事柄に対応し、ときには裁判が始まるかなり前からその仕事が始まることもあります。陪審員団の選出、正確な証言の確保、裁判における証拠品の提示で通訳者は重要な役割を果たします。

ここからは、通訳者が担うさまざまな役割と、重要な判断が求められる法的状況に通訳者が与える影響について紹介していきます。

A gray-scale image of a law school courtroom, similar to ones where many Lionbridge legal interpreters studied.

陪審員の選定

通訳者は陪審員団の選定プロセスをサポートすることがよくあります。

米国では、英語の能力が十分ではないという理由で、他の人に陪審員を代わってもらうことはできません。陪審員の候補を選定する際、裁判官が最終的に頼りにするのは高いスキルを持つ通訳者です。英語がうまく話せない人物が陪審員になった場合、法的手続きの全体を通して通訳者の力が必要になります。

宣誓供述

裁判の証拠開示手続きでは、宣誓供述によって背景情報の重要な手がかりが明らかになることがあります。証人が話す言語に関係なく、詳細な証言が大いに重んじられます。通訳の精度が低いと、証人の発言が不当にゆがめられてしまいます。

高いスキルを持った法務通訳者が証言をそのまま直訳することはほぼありません。通訳者は証人の話し方の抑揚や現地特有の言い回し、言葉には表れない表現の裏に隠された意味をすくい上げます。証言の本当の意味は話している言葉そのものよりも、その言葉の使い方からわかることがほとんどです。

直接尋問と反対尋問

宣誓供述では、それほど堅苦しくない雰囲気のなかで証人が証言します。しかし、法廷における直接尋問と反対尋問では神経を逆なでされるようなこともあり、その結果、重要な証人が動揺してしまいます。

不安に駆られることで、話し方や抑揚が変わることもあります。結果的には、これによって証人の話している内容がわかりにくくなり、その意味の理解もより難しくなります。

自分の気持ちを正確に表せるという安心感を証人に与えることで、通訳者は証人の気持ちを落ち着かせることができます。これには、裁判官や陪審員団が見逃しかねない重要な情報を提供しなければならないという使命感を証人に持ってもらえるという効果もあります。

冒頭陳述と最終弁論

冒頭陳述と最終弁論では、法律の専門家が自身のクライアントになり代わってより自由に主張することができます。ここでの主張は裁判を通じて原告と被告、証人の行動に影響を与えることがあります。

また、裁判官や陪審員団が原告と被告双方の主張の根本にあるものを理解するのにも役立ちます。感情的に訴えることで、事実や数字、証拠よりも強烈なインパクトを残すことができます。

高いスキルを持つ法廷通訳者は必要なときにその場で通訳できるため、陪審員団、被告、証人、その他の重要人物は英語能力が十分でなくても、冒頭陳述と最終弁論の内容を完全に理解することができます。

英語を話さない弁護士や裁判官とのコミュニケーション

2 つの言語が飛び交う法廷でのやり取りは理解が困難ですが、国際的な問題を扱う場面ではそれに拍車がかかります。

こうした状況では、ほとんどの場合、証人、弁護士、裁判所職員がそれぞれ異なる言語を話しています。裁判官は、自身が本来法廷で取り仕切るべき人たちとのコミュニケーションをうまくとることができません。多言語通訳を利用すれば、裁判を通じてすべての関係者がお互いのことを理解できます。これによって、法廷内の雰囲気は落ち着いていて協力的なものになります。

オンサイト通訳者が最も力を発揮できる場面

オンサイト通訳者はさまざまな法的手続きや行政手続きでその力を発揮しますが、その能力が最も求められる場面としては主に次のようなものがあります。

  • 大規模な商事紛争。今日のグローバル経済では、商品やサービスそのものよりも速いスピードで企業秘密が国境を越えて漏洩していきます。世界中で知的財産を法的に守るためには、それぞれの国の規制だけでなく、国際法についても深く理解しておく必要があります。

  • 独占禁止法。独占禁止法はよくある法的手続きというよりは、規制に近いものです証人と通訳者をぬかりなく準備し、同じペアで証言と尋問に対応することで安心して裁判を進めることができます。

  • 海外腐敗行為防止法この法律の名前が表すとおり、国境を越えた論争になることは明らかです。最大で 2500 万米ドルの罰金が科されるため、言葉の壁をなくしておくことが何よりも重要になります。証人の事情聴取と審理における同時通訳が、海外腐敗行為防止法で通訳者に求められる一般的な役割です。

  • 証券取引法。この法律に対抗するには、金融用語と法律用語を 2 か国語で自在に操れる特別なスキルを持った通訳者が必要になります。世界中の企業と金融機関に影響を与えた LIBOR の利率不正操作スキャンダルでは通訳者が重要な役割を果たしました。

通訳者は法廷手続きで言語的なスキルを提供するという重要な責任を負っています。また、複雑な概念を正確に理解する能力を備えており、証人の証言や原告と被告の発言の意味を漏れなくすくい上げるという使命を担っています。同時に、自身の信念を反映させた通訳を行いたいという誘惑にも負けないようにする必要があります。

質の高い通訳は、法廷において証人の証言を正確に伝え、言語の多様性による混乱を防ぎます。質の高い通訳を提供することで、すべての関係者がお互いを理解し、正しい結論を導き出せる可能性が飛躍的に上がります。

精度の高い法務サービスを提供するライオンブリッジの法務通訳者にぜひお任せください。法廷におけるあらゆるご要望にお応えします。オンサイトでも電話越しでも法務通訳サービスをご利用いただけます。オンサイト通訳サービスの詳細については、こちらからお問い合わせください。

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April M. Crehan
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April M. Crehan
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