言語:
言語:
コンテンツ サービス
- 技術文書の作成
- トレーニングおよび eラーニング
- 財務報告書
- デジタル マーケティング
- SEO およびコンテンツの最適化
翻訳サービス
- 動画ローカリゼーション
- ソフトウェア ローカリゼーション
- Web サイト ローカリゼーション
- 規制対象企業向けの翻訳
- 通訳
- ライブ イベント
テスティング サービス
- 機能 QA およびテスト
- 互換性テスト
- 相互運用性テスト
- パフォーマンス テスト
- アクセシビリティ テスト
- UX/CX テスティング
ソリューション
- 翻訳サービス モデル
- 機械翻訳
- Smart Onboarding™
- Aurora AI Studio™
ライオンブリッジのナレッジ ハブ
- 良好な患者アウトカム
- ローカリゼーションの未来
- 最先端免疫学事情
- 新型コロナウイルス (COVID-19) 言語リソース センター
- ディスラプション シリーズ
- 患者エンゲージメント
- ライオンブリッジのインサイト
言語を選択する:
ヘルシンキ宣言では、ヒトを対象とする医学研究の基本的な倫理原則の概要が示されています。臨床試験への参加について患者の自発的なインフォームド コンセントを取得するという基本原則が簡潔に述べられており、これがあらゆる臨床試験における必須要件の基盤となっています。インフォームド コンセント取得プロセスについては、以下のようなさまざまな組織や団体が法律面、規制面、倫理面、道徳面、制度面、社会面から多くのガイダンスや見解を表明してきました。
こうした多くの提言にかかわらず、インフォームド コンセントを取得するのは非常に困難です。その成否には以下のようなさまざまな要素が関係します。
それぞれの要素の複雑さが、インフォームド コンセント取得プロセスの難しさを浮き彫りにしています。また以下のような、より現実的な問題点もあります。
臨床試験依頼者や研究者は、これらすべての要素を考慮してインフォームド コンセントを取得しなければなりません。そのためには、特に以下の 5 つの重要な要素を考慮しながら各要素間のバランスを取る必要があります。
臨床試験の研究環境を支えているのは、複雑な法規制の枠組みです。そのため、各国に適用されるインフォームド コンセント取得のすべての要件の理解と遵守が不可欠です。
たとえば、欧州連合 (EU) と欧州経済領域 (EEA) で実施される臨床試験について考えてみます。これらの地域では、被験者の保護とインフォームド コンセントに関する全体的な規定が超国家的レベルで EU の臨床試験に関する規制 (CTR) に定められています。CTR には以下の内容が規定されています。
また CTR では、インフォームド コンセントは「本質的に国ごとの特性」を持つと明示されているため、各国の規定が要件に含まれます。国レベルの要件は、被験者募集が行われる各 EU/EEA 加盟国の法律に基づいており、以下が含まれる場合があります (一部抜粋)。
臨床試験においてインフォームド コンセントは必須のプロセスです。業界関係者にとっては、インフォームド コンセント要件の遵守は医薬品の臨床試験の実施の基準 (GCP) で定められているとおり、システム レベル (標準業務手順書、コンピューター システム、人員) でのコンプライアンスとリスク管理に含まれます。
インフォームド コンセント取得プロセスで提供される資料には、患者情報シートや患者情報リーフレット、インフォームド コンセント フォーム (ICF)、アセント フォームなどがあります。しかし、これらの文書は患者が理解するには情報量が多く、内容が難しすぎると批判されることがよくあります。冗長な文章が問題なら、簡潔にして文字数を減らせばよいかもしれませんが、常にそれができるとは限りません。なぜなら、これらの文書には規制遵守のために不可欠な情報を含めなければならないからです。また、臨床試験のデザインおよび治験薬や試験手順の性質によっては、情報を確実に理解してもらうために詳細で長い説明が必要となる場合があります。
より詳細に説明することで、患者の参加の可能性が高まり、研究者の助けとなります。包括的な情報と簡潔な情報のバランスを見つけ、一般の人にとっても明確でわかりやすい患者コミュニケーションを確実にするために、患者の関与が助けになる場合があります。革新的治療のための欧州患者アカデミー (EUPATI) のツールボックスでは、研究者、患者、製薬会社が協力して ICF やアセント フォームを共同開発するコラボレーションの例が公開されています。患者の関与が、文章の書式、内容、質に対する画期的なアプローチにつながる場合があります。また、それらの例では倫理審査委員会による審査期間の短縮やコメント数の減少といったその他のメリットも強調されています。患者の関与における課題について学んだり深く考えたりすることも役に立ちます。たとえば、理想的なことと現実的に実現可能なことの兼ね合いや、患者の関与を促進するための計画、スケジュール、コストに関する検討事項が明らかになる場合があります。
患者が臨床試験情報を理解しづらいという状況は、情報が不十分な場合によく起こります。その一方で、一度に受け取る情報が多すぎる場合も理解しづらくなります。欧州患者フォーラム (EPF) のインフォームド コンセントに関する公式見解では、情報過多により、患者が臨床試験への参加に伴う潜在的なリスクとメリットを理解することが妨げられる場合があると論じています。そのため、個々の患者の情報ニーズを満たすうえで質の高い情報の提供と同じくらい重要になるのが、(EPF が提唱する) 情報提供に対する柔軟でカスタマイズされたアプローチです。
個々の患者の情報ニーズを満たすことと、インフォームド コンセントの面談の成功との関連性は、Clinical Trials Transformation Initiative (CTTI) のインフォームド コンセントに関する推奨事項でも強調されており、考慮する必要がある個々の具体的特性が、業界、学界、患者支援団体の代表者らが開発した協議支援ツールによって特定されています。以下のような患者の特性が挙げられています。
コミュニケーションのパーソナライズとカスタマイズを行う場合、運用レベルでかなり時間がひっ迫する可能性が高くなります。インフォームド コンセント取得プロセスに対する研究で被験者と試験スタッフの見解を調査した、オサリバンとその同僚による研究があります。この研究では、研究者による最適なインフォームド コンセント取得プロセスの実施を妨げる大きな要因として、時間の不足が挙げられています。患者への情報提供や患者の理解の確認に研究者が十分な時間をかけることができれば、患者中心のプロセスを飛躍的に推進できるでしょう。
臨床試験依頼者や研究者が個々の患者の情報ニーズを満たすうえでカギとなるのが、テクノロジー、手法、コミュニケーションのそれぞれに関する 3 つの手段です。
1. デジタル ツールを使用することで、患者の臨床試験情報への理解度が向上し、インフォームド コンセントにおける患者体験全体を強化できる場合があります。たとえば、以下のようなツールがあります。
デジタル ツールを選択する際は、対象患者群を考慮することをお勧めします。たとえば、ジェズアルドとその同僚が行った、インフォームド コンセント取得プロセスにおけるデジタル ツールのシステマティック レビューでは、複数のマルチメディア形式 (スライド、音声、ビデオ、グラフィック) を組み合わせることと、デジタル テクノロジーの利用 (理解度の確認など) を通じて患者を関与させることが提唱されています。この方法は、理解度と満足度を向上させるうえで、ビデオのみを使用した場合よりも効果的であることがわかっています。
eConsent の設定と実装に関する考慮事項は複雑で多岐にわたるため、本記事では触れません。患者コミュニケーションとインフォームド コンセント取得をサポートするデジタル ツールを使用する場合、紙媒体の場合と同じように、倫理審査委員会による事前の承認が必要です。重要な点として、デジタル ツールを使用できない患者やデジタル ツールの使用を望まない患者がいる可能性があることも忘れてはいけません。その場合、臨床試験依頼者や研究者は情報提供や同意取得のために別の方法を利用できるようにする必要があります。
2. インフォームド コンセントに関するトレーニングや研修を実施することは、被験者候補と研究チームのどちらにとってもメリットになる場合があります。たとえば、わかりやすい言葉づかいとヘルス リテラシーに関する研究スタッフのトレーニングを実施することで、患者や介護者、その他の関係者とコミュニケーションを取る際のガイダンスを提供し、明確でシンプルな言葉の重要性を伝えることができます。また、患者が十分な情報に基づいて参加を選択するために、わかりやすい言葉によるコミュニケーションがいかに役立つかを示すことができます。
被験者候補は、インフォームド コンセント取得プロセスそのものについての研修を受けることでメリットを得られる場合があります。被験者がインフォームド コンセント取得プロセスの概念、内容、自らの権利、研究チームの義務と責任について理解を深めることで、被験者の積極的な関与を促せる場合があります。より積極的な患者エンゲージメントにより、研究スタッフと患者の間に有意義なやり取りや信頼できるつながりが生まれ、インフォームド コンセント取得プロセスの成功に必要な前提条件を達成できます。
3. 臨床試験の被験者 (および候補者) への情報は、理解しやすい言葉で提供すべきです。多様な患者群を登録すれば、その中には臨床試験に関する用語や表現をほとんどまたはまったく理解できない候補者が確実にいます。この場合、とりわけ言語面のサポートをどのように構成、文書化、報告するか、その要件は多岐にわたるため、言語面のサポートを事前に計画しておくことが非常に重要になります。たとえば、承認済みの文書テンプレートの使用、翻訳証明書の内容、バック トランスレーション (逆翻訳) の提供、更新があった場合の翻訳の提出スケジュールなどについて、倫理審査委員会ごとに特定の要件がある場合があります。
臨床試験依頼者や研究者は、プロフェッショナルな言語サービス プロバイダーを通じて、世界各国で言語サポート (通訳、翻訳) を手配できます。必要に応じて、対象言語に堪能な研究スタッフを通じてオンデマンドで言語サポートを提供することもできます。当然ながら、被験者候補から参加のインフォームド コンセントが提供されれば、臨床試験期間全体にわたって適切な言語サポートが必要になります。また言語サポートは、臨床試験結果の一般向け要約の公開など、臨床試験後のコミュニケーションを円滑にすることもできます。
臨床試験におけるインフォームド コンセント取得は、継続的なプロセスです。臨床試験が進むにつれて、臨床試験における新しい医療処置に関する情報など、新たな重要情報が入手される場合があります。GCP では、そのような情報を速やかに被験者や法的代理人に伝えることを義務付けています。このような新しい情報が患者の参加意思に影響する場合があるためです。このような場合、「再同意」プロセスが開始されます (それに伴い、ICF/アセント フォームや書面で提供済みの情報の更新が必要になります)。それ以外に再同意が必要になるケースとして、未成年の被験者が法的能力を持つ年齢 (各国の法律によります) に達した場合が挙げられます。この場合、CTR に基づく臨床試験などでは、適切な情報提供後に本人が参加継続に同意し、ICF に署名するまでは参加が中断されます。
上記のようなケースは、当初の同意取得後に再度インフォームド コンセントのためのコミュニケーションが「必要」になる例です。しかしこれに限らず、インフォームド コンセントの精神に基づけば、臨床試験期間全体を通じて継続的で透明性の高いコミュニケーションを行うことが倫理的要件となります。インフォームド コンセントに関する CTTI の推奨事項では、頻繁なフォローアップの会話、臨床試験内容のリマインダー、臨床試験の進捗に関する最新情報の提供を提唱しています。実際、研究者がオープンでわかりやすいコミュニケーションを維持することで、被験者は十分な情報に基づいた意思決定を行うために必要な情報を常に把握できます。
ライオンブリッジのライフ サイエンス部門が提供する各種翻訳サービスが、臨床試験の被験者および候補者との効果的で質の高いコミュニケーションにどのように役立つか、ぜひお問い合わせください。当社が提供する臨床試験翻訳サービスは、臨床試験プロセス全体を通じてインフォームド コンセント取得プロセスの円滑化を支援します。当社の臨床試験翻訳サービスを利用することで、多言語にわたる多様な患者群にリーチを拡大し、臨床試験の参加について十分な情報に基づいた選択を促すのに必要な情報を提供することができます。当社の臨床試験翻訳サービスについて、こちらからお問い合わせください。