言語:
言語:
コンテンツ サービス
- 技術文書の作成
- トレーニングおよび eラーニング
- 財務報告書
- デジタル マーケティング
- SEO およびコンテンツの最適化
翻訳サービス
- 動画ローカリゼーション
- ソフトウェア ローカリゼーション
- Web サイト ローカリゼーション
- 規制対象企業向けの翻訳
- 通訳
- ライブ イベント
テスティング サービス
- 機能 QA およびテスト
- 互換性テスト
- 相互運用性テスト
- パフォーマンス テスト
- アクセシビリティ テスト
- UX/CX テスティング
ソリューション
- 翻訳サービス モデル
- 機械翻訳
- Smart Onboarding™
- Aurora AI Studio™
ライオンブリッジのナレッジ ハブ
- 良好な患者アウトカム
- ローカリゼーションの未来
- 最先端免疫学事情
- 新型コロナウイルス (COVID-19) 言語リソース センター
- ディスラプション シリーズ
- 患者エンゲージメント
- ライオンブリッジのインサイト
言語を選択する:
安全性と臨床成績の概要 (Summary of Safety and Clinical Performance: SSCP) とは、技術的な適合性評価の際に適合性評価機関 (Notified Body: NB) によって検証され、欧州医療機器データベース (European Database on Medical Devices: Eudamed) 上で公開される規制文書です。SSCP の作成は EU 医療機器規制 (Medical Device Regulation 2017/745: MDR) 第 32 条で義務付けられており、医療機器ユーザー向けの重要な情報が記載されます。これは、医療機器の臨床成績と安全性に関する最新の概要情報を患者と医療専門家の両方に提供するためのものです。
SSCP については、2019 年 9 月 26 日に医療機器調整グループ (Medical Device Coordination Group: MDCG) からガイダンスが発表されました。2021 年 5 月の MDR 施行により、中~高リスク レベルの特定機器 (Class IIa / IIb の埋込型機器、Class III 機器) について SSCP の提供が必須となります。
近年、欧州の医療コミュニティでは透明性強化の取り組みを進めるための規制が打ち出されてきました。SSCP もそうした規制の一つです。調査結果を一般に開示するという考え方は以前からありましたが、MDR と新しい臨床試験規制 (Clinical Trial Regulation: CTR) は、EU において臨床試験と医療機器の調査結果や成績を一般の人々に開示することを法的に義務付けるものです。SSCP に規定されている要件の内容は CTR の要件と似ており、平易な表現で書かれた一般向けの臨床試験結果概要情報を臨床試験完了後に開示することが必要になります。
どちらの EU 新規制においても、各地域の言語と平易な表現を使って患者に情報を伝えるという趣旨に基づき、言語と読みやすさが非常に重視されています。言語の重要性については MDCG のガイダンスに明記されており、同ガイダンスでは、SSCP の翻訳はメーカーの品質管理体制に組み込まれるべきであると述べられています。
高リスク医療機器のメーカーは、機器のライフサイクル全体を通じて SSCP を更新し続ける責任を負うことになります。また、適合性評価機関 (NB) は、技術的な適合性評価を実施する際と CE 認証の更新時に SSCP を検証する義務を負います。メーカーは合意に基づく 1 言語で最初のマスター SSCP を作成し、NB による検証を受けた後で、販売対象範囲に応じて必要なすべての EU 言語へと翻訳する必要があります。
SSCP 翻訳の詳細については当社までお問い合わせください。
注意事項: 機器の販売対象予定加盟国によっては、マスター SSCP を英語以外の EU 言語で作成することも認められる場合があります。ただし、マスター SSCP が NB によって Eudamed にアップロードされた時点から 90 日以内に英語版の SSCP も提出する必要があります。英語版はその提出時点から 15 日以内に NB によってアップロードされます。
その他の関連言語版 SSCP のアップロード時期は、各 EU 加盟国におけるメーカーの発売計画によります。原則として、各 EU 加盟国での販売開始時点までには、その地域の公用語版の SSCP を Eudamed で参照可能にしておく必要があります。マスターおよび英語版と違って、その他の言語に翻訳した SSCP については NB の検証を受ける必要がありません。ただし NB は、メーカーから SSCP を受け取った場合は 15 日以内にアップロードする必要があります。
SSCP の翻訳は取扱説明書 (Instructions for Use: IFU) の言語要件に沿って行われますが、EU 加盟国ごとに異なる言語要件も適用されます。また、直接患者の手で使われる機器の SSCP を作成する際には、内容を医療専門家向けの部分と患者向けの部分に分けなければならないことが言語面の課題となります。つまり、メーカーは 2 つの異なる対象読者層を考慮しながら 1 つの概要を作成する必要があるのです。医療専門家と患者とでは、医学的コンテンツの理解や実践に関するヘルス リテラシー スキルに大きな違いがあるためです。
場合によっては、より多くの読者層を考慮することも必要になります。小さい子供による取り扱いが想定される機器の場合は、誰を対象読者 (親、子供、または青少年など) とするかをさらに検討しなくてはなりません。高齢の患者や認知症の患者による取り扱いが想定される場合もあり、読者にどの程度の理解力を期待するかによって書き方を変える必要もあります。
SSCP の言語面の課題については、当社 MDR シリーズの次回のブログ記事で詳しく取り上げます。
EU の新しい要件と報告義務について万全の対策を講じるには、翻訳の一元管理体制と、必要に応じたタイムラインに合わせて調整可能な言語ワークフローの実現を検討することが望ましいと言えます。MDR 対応に向けた未整備事項の洗い出し作業に SSCP 要件を盛り込むことと、SSCP に関する文書管理を継続的に行うことが必要になります。
SSCP の改訂履歴、変更管理、検証ステータスに関する規制要件は、EU 市場の多言語性によって複雑なものとなっています。SSCP については機器の耐用期間を通じて定期的な更新作業を続けることが必要であり、また、どの言語版で NB の検証を受けたかの情報も含める必要があります。幅広い製品ポートフォリオを手掛けるメーカーの場合、規制を遵守するには、必然的に文書管理や各言語版の管理を行わなくてはなりません。
さらに、SSCP の内容は、IFU、定期的安全性最新報告 (Periodic Safety Update Report: PSUR)、販売後臨床フォローアップ (Post-Market Clinical Follow-up: PMCF) 報告など、ほかの基本的な重要文書とも相互に関係しています。技術文書の更新時には SSCP の内容を再確認し、しかるべき新情報をすべての言語版に反映させて改訂した後、NB への再提出を通して Eudamed にアップロードすることが不可欠になります。PSUR と PMCF については 1 年または 2 年ごとの更新が義務付けられているため、それに伴う作業が必ず発生します。
こうした主要な文書の内容に相互依存関係があるということは、当然ながら、すべての改訂版や言語版を含めてコンテンツの一貫性維持とファイル管理を行うためのリソースと予算が多く必要になります。これは言語サービス プロバイダー (LSP) に委託できる作業であり、また、LSP を利用するほうがメーカーにとって好都合である場合が多いと言えます。LSP は、文書更新サイクル管理や複数種類の読者を対象とするコンテンツの制作をサポートする力を備えており、こうした部分でメーカーの皆さまのお役に立つことができます。
SSCP のガイドラインについて理解を深めたら、次は、翻訳作業について本格的な検討に入りましょう。SSCP の翻訳に関する私の見解をご紹介したこちらのブログ記事をお読みになるか、ライオンブリッジまで直接お問い合わせください。