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患者第一という概念は、ボランティアの参加を必要とする臨床試験を倫理面に配慮して実施するうえで、核心的な要素となっています。ライフ サイエンス業界は、医薬品の開発にさまざまなアプローチで患者の意見を精力的に取り込もうとしています。この取り組みは、規制に関する戦略的なイニシアチブとガイダンス文書 (FDA の「Patient-Focused Drug Development (患者視点の医薬品開発)」、EMA の「Regulatory Science to 2025 (2025 年に向けてのレギュラトリー サイエンス)」、PMDA の「Guidance on Patient Participation (患者の参加に関するガイダンス)」、ICH の「Reflection Paper on Patient-Focused Drug Development (患者視点の医薬品開発に関するリフレクション ペーパー)」) に基づいて進められています。
Reuters Events による Pharma Awards (薬品アワード) の 2022 年の受賞カテゴリには、患者第一主義のアプローチによって実現された以下のような成功事例が多数選出されています。
臨床試験における患者第一主義のアプローチが普及すれば、患者の真のニーズや期待事項に対する適切な配慮が行われるようになる可能性があります。臨床試験の成功の要となるのは、患者やその介護者などの試験参加者です。適切な配慮の仕方を理解するには、臨床試験プロセスのあらゆる側面を通じて患者と介護者が考えていることを把握する必要があります。これは、参加者の協力の上に成り立つ健全な文化を継続していくためにも重要なことです。このような積極的アプローチは、患者第一主義が単なる研究者の「義務」とならないように開発された考え方なのです。
臨床試験業界がもたらす科学的進歩や技術的進歩と比べれば、患者体験に関する参加者の期待事項は (治療結果と直接的な関係を持つ人々を除き) わかりやすく現実的です。参加者の期待事項は、「生活」という日常の現実と結び付いているからです。臨床試験における患者第一主義のアプローチを促進するには、以下の 5 つの要素を考慮する必要があります。
(1) 試験に対する認知度: すべての患者が病気の治療を開始してすぐに臨床試験への参加を検討するわけではありません。中には、可能な治療法がほとんどないという診断を受けている患者もいます。治療を受けていても結果に満足していない患者もいます。また、標準的な治療法はすべて試したという患者もいます。どの患者にとっても、臨床試験が新たな治療の機会につながることは少なくありません。しかし残念なことに、こうした機会に関する情報が十分に普及していないことが、患者の臨床試験への参加を妨げている場合があります。
臨床研究参加に関する情報研究センター (CISCRP) が国内外で実施した認識や見識に関する調査によると、臨床試験に関する情報が十分に普及している状況でも、このような障壁は残っています。例として、調査に参加した 11,793 人のうちの 4 分の 1 が、「自分に最適な臨床試験を見つけられるかわからない」と回答しています。
臨床試験という選択肢ついて入手できる情報が少ないということは、臨床試験に参加する際の重大な障壁となります。さらに、臨床試験に対する患者の信頼度の低下にもつながり、患者エンゲージメントを低下させ、結果として、患者の募集を適切に行うことができません。
(2) 臨床試験情報: インフォームド コンセントは、ボランティアの参加を必要とする臨床試験を実施する際に、倫理的および法的な面で前提条件となります。(臨床試験への参加、拒否、参加への同意撤回について) 十分に情報を得たうえで意思決定ができるようにするには、参加者および参加候補者に対して幅広く詳細な情報を提供する必要があります。患者への情報提供は簡単にいかないこともあります。その複雑さを示す事例が、ナイドゥ―とその同僚による研究で紹介されています。この研究では、無作為化臨床試験への参加を通じて患者が感じた負担について調査しています。その結果、試験に関する情報の量、複雑さ、形式などが、患者にとって本当の心理的負担となることがわかっています。この研究に参加したボランティアは、以下のような感情を報告しています。
試験に関する情報が不明瞭だったり、参加者への説明が分かりにくかったりすると、インフォームド コンセントのプロセスが複雑になるだけではありません。こうした不明瞭な情報によって、参加者が十分な情報に基づいて決定することが難しくなり、インフォームド コンセントが「無効になる」可能性もあります。
(3) 回答の負担: 臨床試験に関する質問票に対する患者の回答が、試験薬や試験治療の潜在的なメリットとリスクを示すエビデンスとなる場合があります。
これらの質問票 (患者報告アウトカム (PRO) 評価とも呼ばれる) は、評価を行っているアウトカムが対象患者群にとって有意義かつ重要であることを確認するために役立ちます。一方で、PRO が患者にとっては困難や負担になることもあります。このような傾向は、疾病による負担の大きい患者群ほど高くなります。規制当局は、臨床試験の依頼者に対し、この点に注意することを求めています。FDA と EMA は、ガイダンス文書 (「Draft Guidance on Core Patient-Reported Outcomes in Cancer Clinical Trials (がんの臨床試験における中核的な患者報告アウトカムに関するドラフト ガイダンス)」、「Guideline on the Use of Patient-Reported Outcome Measures in Oncology Studies (腫瘍研究における患者報告アウトカム測定法の使用に関するガイドライン)」を含む) を通じて、臨床試験の依頼者に対し、回答に関する患者の負担を軽減する方法を検討するよう求めています。
試験の参加者が PRO の提供について困難や負担を感じると、データの不足や質の低下につながる可能性があります。困難や負担は、患者が試験への参加を拒否したり途中で離脱したりする原因にもなります。
(4) 試験の周囲環境: 周囲との関わりを無視して臨床試験に参加することはできません。試験の参加者は、日常生活における課題や困難を抱えながら、この責務も果たすことになります。試験のための来院には時間と労力もかかります。子どもの世話に関する手配、言葉の壁、交通費やその他の関連費用による金銭的な影響など、現実的な問題や懸念事項も発生します。患者が試験に参加するうえで、自身の体調管理が感情面と身体面に及ぼす影響に加えて、試験の周囲環境の複雑さが大きな足枷になることは少なくありません。
場合によっては足枷よりもっと大きな障壁となって立ちはだかることもあります。試験だけに限って患者第一主義のソリューションを導入しても、目指すような患者アウトカムを得られるとは限りません。試験の計画段階で、患者第一主義のアプローチについて総合的に考える必要があります。たとえば、患者報告データの収集を効率化するテクノロジーを患者に提供するだけでは不十分です。患者の負担を軽減するには、このテクノロジーを使用するための訓練と技術的なサポートを十分に行う必要があります。
臨床試験への参加を促進する患者第一主義のサポート インフラストラクチャが欠如していると、試験の実施と継続に悪影響をもたらします。
(5) 試験結果: 一般向けサマリー (わかりやすい言葉で書かれた要約) によって、個々の臨床試験とその結果を簡潔に説明します。この要約は、試験の参加者と一般の人々を対象とするものです。科学的・研究的観点からすれば、試験結果を共有することで、試験依頼者が倫理的な義務を果たし、規制や法的要件を満たすことにつながります。患者第一主義の観点からすれば、試験結果を共有することは以下のような意味を持ちます。
試験結果を共有しなかったり、不完全な情報や混乱を招くような情報を提供したりすることは、試験の参加者に対する敬意と感謝の欠如と受け取られる可能性があります。
(本ブログ記事で前述した) 認識や見識に関する調査では、地域によって試験結果を参加者に連絡する傾向に差があることが明らかになっています。ヨーロッパでは試験結果の要約を連絡する傾向が比較的高く (50%)、南米 (26%) やアフリカ (19%) ではそれより低くなる傾向が見られます。残念なことに、参加後のコミュニケーションの欠如 (「誰からも結果の連絡がない」) は、多くの参加者の間で議論されるテーマとなっていました。
試験の結果に関するコミュニケーションの欠如や全体的なコミュニケーション不足は、試験の参加者に心理面でマイナスの影響を与えます。このようなコミュニケーションの欠如は、依頼者のブランド イメージを損ねたり、臨床試験に対する消極的な姿勢を助長したりすることもあります。
臨床試験における患者第一主義のアプローチの実現に関するサポートは当社にお任せください。豊富な経験、知識、革新的な技術力でお客様のご要望にお応えします。ライオンブリッジのライフ サイエンス翻訳サービスについて、ぜひ当社までお問い合わせください。当社の担当者が詳しくご説明いたします。