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この記事は、テクノロジーの進歩が言語品質にもたらす影響を探る、ライオンブリッジの「【シリーズ】言語テクノロジーの未来」の第 2 回です。
記事をご覧になっている読者の方の中には、米国や中国市場への進出を図る韓国のアプリ開発企業、英語圏以外のユーザーにもサービス提供を始めたシリコン バレーのユニコーン企業、マルチベンダー体制を通じて複雑なローカリゼーション プログラムを管理する大企業の子会社をはじめ、さまざまな企業関係者の方がいらっしゃるのではないでしょうか。いずれの場合においても、多言語ローカリゼーション戦略を策定する必要に迫られていることと思います。では、作業フローを維持するために翻訳管理ソフトウェアを購入する必要があるかというと、おそらくその必要はないでしょう。
シリーズ第 1 回の記事「【シリーズ】言語テクノロジーの未来: マルチベンダー戦略のメリット」ではマルチベンダー戦略のメリットとデメリットについて紹介していますが、翻訳管理ソフトウェアを導入する必要性はマルチベンダー戦略を採用するかどうかによっても変わってきます。この記事を読むことでお客様が翻訳管理ソフトウェアについて理解を深め、不要なテクノロジーを購入せずに済むようであれば当社としても幸いです。
TMS とは「Translation Management System (翻訳管理システム)」の頭字語で、ローカリゼーション業界における主要テクノロジーの一つです。TMS を導入すると、コンテンツの翻訳ワークフローを管理および自動化できるようになるだけでなく、ローカリゼーション プロセス全体の管理も可能となります。
比較的シンプルなシステムから大規模で複雑なシステムに至るまで、TMS はさまざまなシステムに幅広く対応しています。TMS は基本的に配信システムとしても機能し、ばらばらに存在するコンテンツでも TMS の適切なワークフローを介せば一本化することができます。ファイルの種類によるフィルタリング、翻訳対象テキストの抽出、翻訳メモリ (TM) などさまざまなテクノロジーとの連携が可能です。チーム全体での共同作業にも対応しており、レイアウトの調整やコンテンツの最終レビューに複数名で取り組むことができます。
さらに、コンテンツを転送するだけでなく、制作プロセスで人が行っていた判断を一部自動化することも可能です。TMS に搭載されている代表的な機能は次のとおりです。
TMS を導入すべきかどうかはお客様が置かれている状況によって異なります。たとえば、大規模なローカリゼーション プログラムを手がける企業、マルチベンダー体制を採用している企業、大量のコンテンツをローカライズする必要のある企業であれば、TMS への投資は理にかなっていると言えるでしょう。多くの場合、これに該当するのは海外市場で多言語展開している大企業か中堅企業です。企業の規模が大きいとフローが複雑になり、数千ページにもおよぶ膨大な量のコンテンツに加え、Web ページ、ビデオ、アプリ、サポート文書、製品やマーケティング関連資料など、ローカライズの対象となるコンテンツの種類も多岐にわたる傾向にあります。このような企業では、管理している価格リストと品質指標は複数に及びます。
他に TMS の導入を検討すべき企業としては、厳格な規制下で業務を行う必要のあるライフ サイエンス業界や法曹界の企業も該当します。これらの業界では監査が必須とされており、データ アクセスを厳格に制御しているだけでなく、すべての業務を社内で管理する必要があります。
このような場合でも、TMS なら複雑な業務プロセスを適切に管理することができます。さらに、TMS は海外市場へのグローバル展開においても重要な役割を担います。新しい市場において顧客との良好な関係を形成し、ブランド認知を高め、規制などの法的要件やコンプライアンスへの準拠を図る上で TMS がその本領を発揮します。しかし、このような優れたメリットはあるものの、TMS はあらゆる企業にとって有益なわけではありません。
小規模な企業や限られた市場でのみ事業を展開している企業は、TMS の導入には慎重になることをお勧めします。多くの場合、TMS に搭載されている豊富な機能が不要であるだけでなく、投資を回収するほどの利益やメリットを得ることが難しいためです。
TMS の導入と維持は複雑な作業ですし、コストもかかります。マーケティングやローカリゼーションに費やしている限られた予算をさらに圧迫する可能性もあります。コンテンツ制作に集中すべき人材が TMS の運用に回されてしまうようなこともあるかもしれません。これでは結局コンテンツ開発に支障が生じて、製品やサービスを市場にすばやく投入できなくなってしまいます。そのため、このようなケースにおいては TMS に予算を費やすことは賢明とは言えません。
俊敏性、効率、コスト削減を重んじる大企業の中にも、TMS の代替手段を検討しようとしている企業があるかもしれません。
ほとんどの言語サービス プロバイダー (LSP) はローカリゼーション サービスの一環としてテクノロジーを提供しているため、LSP と提携することが TMS の代替案となり得ます。TMS を必要としない企業や、TMS なしでも業務を運用できる企業のお客様にはこちらの方がお勧めです。複雑なプロセスや作業は LSP がすべて引き受けて管理するため、お客様の負担を減らすことができます。単一の言語ペアのみを扱う「シングル ランゲージ ベンダー (SLV)」も、機械翻訳とポストエディット サービスを組み合わせて提供しているベンダーであれば、TMS の代わりになる場合があります。
また、CMS、PIM、DAM を自社に導入している企業も多いと思いますが、一般的な翻訳とレビューのワークフローであれば、それらを活用することでその大部分を補うことができます。ローカリゼーションに対応した最新の CMS、PIM、DAM には、翻訳関連の作業やデータをネイティブ環境で取り扱えるというメリットがあり、これによってワークフロー全体がよりシンプルになります。CMS、PIM、DAM に経験豊富なローカリゼーション パートナーを組み合わせれば、あらゆる多言語コンテンツ戦略を成功に導くための準備は万全です。
TMS の代替手段となるこのアプローチでは、柔軟性とスケーラビリティを確保するだけでなく、大規模システムの導入と TMS の維持に伴うすべての問題を解消できます。TMS の導入によって受けられるメリットはどの企業でも同じですが、人工知能 (AI) と機械翻訳 (MT) の各テクノロジーを併用することで、さらなる効率化を図ることも可能です。その結果、企業は顧客対応により集中でき、顧客に対して適切なメッセージを伝えることにより多くの人材を割けるようになります。
ライオンブリッジのお客様の中には、年間 9 万ドル以上を投じてエンタープライズ スケールの TMS を展開・維持しているお客様がいます。投資収益率 (ROI) を見積もるには、ローカリゼーション テクノロジーにかけているコストをローカリゼーションにかかった合計費用と比較してみるのがよいでしょう。専門的な見地から当社がお客様にお勧めしているのは、翻訳テクノロジーへの投資をローカリゼーションにかける年間予算の 10% 以下にとどめることです。
ローカリゼーションにかける金額が年間 200 万ドルを下回る場合は、テクノロジー ソリューションを提供している LSP と業務提携した方がメリットは大きいでしょう。つまり、TMS に投資する価値があるのは、ローカリゼーションに年間 200 万ドル以上かける予算のある企業のみということです。ただし、その場合でも TMS を全面的に導入する必要はないこともあります。規制産業の場合や、取り扱うコンテンツの種類と管理するローカリゼーション ワークフローが多数ある場合には、TMS を導入するメリットがありますが、それでも導入が必ずしも必須であるとは言えません。
当社の Web サイトにて、最先端のテクノロジーを採用した当社独自のプラットフォームを活用し、お客様と顧客との関係強化や、新規顧客の開発を促進する方法についてご覧ください。翻訳テクノロジーに関するコストや TMS の導入についてご興味・ご質問をお持ちの方は、ぜひ当社までお問い合わせください。