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生成系 AI に関するウェビナー要約: 現段階での活用状況

実用化が進む生成系 AI からさらなる可能性を引き出すには、まだまだ時間がかかります

ライオンブリッジで制作・開発チームの責任者を務めるヴィンセント ヘンダーソンは、生成系 AI (GenAI) と大規模言語モデル (LLM) の利用はますます進み、この傾向が後戻りすることはないと断言します。では現状はどうなのでしょうか。

実際のところ、現時点でこのテクノロジーはどれほど活用されているのでしょうか。結論から言えば、まだ十分に活用されておらず、大きな可能性が未だ残されています。ただし、注目に値するメリットを得られることが明らかになっており、大幅なコスト節減といったビジネス上の潜在的メリットも確認されています。こうした利益を享受するには、私たちが今までの習慣から脱し、この革新的なテクノロジーの活用を進めることがカギとなります。

生成系 AI と大規模言語モデルに関する当社のウェビナー シリーズ第 2 弾では、ヘンダーソンがこのテーマについて詳しく語ります。

今回のウェビナーを見逃された方は、こちらからオンデマンドでご覧ください。

以下は今回のウェビナーの要約です。

生成系 AI: これまでの道のり

人工知能 (AI) の歴史は 1800 年代初頭まで遡ることができますが、現在はその急速な進化によって注目を集めています。2020 年代前半に見られた AI の画期的な進歩は、それ以前の AI をまったく新しい次元に引き上げるものでした。

生成系 AI と大規模言語モデルによって革新的な機能が実現できるようになった今がまさに転換点と言えます。

「LLM と生成系 AI によって AI の歴史が変わりつつあります。今がその転換点であり、真摯に取り組むことが重要です」

— ヴィンセント ヘンダーソン

これまでの転換点と今の「生成系 AI 時代」の違い

AI のパラダイムの進化と現状を正しく理解するために、これまでの転換点を振り返ってみましょう。

チェスで人間を打ち負かすなどの画期的な出来事があると、科学技術者たちはそのたびに「機械は本当の意味では考えていない」と結論付けてきました。彼らはより困難な指標を持ち出して、機械が知能を示したと言える基準を常に引き上げてきました。

今回の転換点がこれまでと異なるのは、今まではトレーニングを受けた特定のタスク (金属板の表面の欠陥を検知するなど) を実行するのとは異なり、言葉の理解や問題の解決、コーディング、有意義なコンテンツの作成といった「汎用的」な能力を持っている点です。

生成系 AI と LLM の重要なポイント

人間とコンピューターをつなぐ「インターフェイス」の性質が変わりつつあります。ようやく機械がこの世界を理解し、専門のトレーニングなしに推論や問題解決を伴う作業を実行できるようになったためです。これからのインターフェイスでは、ボタンをクリックしたり画像をアップロードしたりするのではなく、言語や推論、言語に基づく表現を使用します。

人間とコンピューターをつなぐインターフェイスが変わる転換点となったのが自然言語です。コンピューターの解釈と推論能力の向上によってまったく新しい分野での利用が可能になります。コンピューターが言語を読み取って理解し、推論して問題を解決できるようになれば、今までよりもはるかにたくさんのことを行えるようになります。

ローカリゼーションにおける生成系 AI の影響

ローカリゼーションに生成系 AI を取り入れることで、今までにないビジネス上の価値の創出が可能になります

ローカリゼーションには言語面で配慮すべき事項が多数あり、これらに多くの労力が割かれています。ブランドがコンテンツ内で正しく表現されているか、コンテンツの言語品質が所定の品質基準を満たしているかなど、さまざまなチェック事項があります。これらを確認して修正するために多くの労力が費やされてきましたが、こうした努力はビジネス上の大きな成果にはほとんどつながりませんでした。

LLM を取り入れることで、この状況を解決することができます。LLM はその能力が強化されるにつれて、定形的で基本的な言語処理の対応範囲が拡大します。LLM の対応範囲が広がれば、人間がより付加価値の高い作業に集中する余裕と時間が生まれます。ここに、グローバル コンテンツの制作における AI のメリットがあります。

AI を活用したソリューションは次の 3 つの領域における活用が期待されており、人間の創造性を後押しするものでもあります。

  • コンテンツの立案 (ソース トピックの作成)
  • コンテンツの分析 (コンテンツの影響の把握)
  • コンテンツの適合性 (価値を生むコンテンツかどうか)

結果として、お客様はトランスクリエーションといった価値の高いサービスをより低価格で利用できるようになります。さらに、生成系 AI を活用したソリューションを通じて、各市場のブランド購買層の心を掴み、説得力に優れて信頼感のあるコンテンツを発信することが可能になります。

生成系 AI と LLM によって変わるローカリゼーション サービス業界

生成系 AI と LLM の登場により、LLM 関連の開発支援と LLM によるコンテンツ制作の 2 つの分野でのサポートを求めて、多くの企業のお客様が言語サービス プロバイダー (LSP) との連携を始めています。

  • LLM 関連の開発支援には、LLM 出力の評価、バイアスの管理、効果的なプロンプト エンジニアリング戦略の立案などが含まれます。
  • LLM によるコンテンツ制作には、企業が公開するコンテンツの制作における LLM の活用などがあります。サービスとしては多言語資産の最適化、ローカリゼーション ワークフローの改善、多言語生成系 AI の開発と使用に関する支援、包括的なコンテンツ制作などが含まれます。
ライオンブリッジのロゴが印字されたプロセッサー

コンテンツ制作: LLM がローカリゼーション ワークフローに与える影響

ローカリゼーションに対するニーズが増える中で、そのワークフローの自動化と強化が促進されるような LLM 関連サービスの需要が高まることが予想されます。生成系 AI にはさまざまな可能性が秘められています。

LLM の進化に伴い、ソース コンテンツの準備からコンテンツ レビューまで、ローカリゼーション ワークフローのすべての段階が LLM によって強化されることが期待されます。

このテクノロジーによってローカリゼーション ワークフローにどのような影響があるか、その一部をご紹介します。

ソース分析 — LLM でソース分析を実行し、ソース コンテンツが効率的なローカリゼーションに適したものであるかどうかを判定できます。ネイティブではない英語話者が製品関連の英語コンテンツを作成するケースが増えているため、この段階の自動化はますます重要になっています。LLM を利用することで、ローカリゼーションに適した状態になるようにソース コンテンツを早期段階で簡素化し、潜在的な問題を取り除くことが可能になります。

翻訳 — LLM はコストとスピードの面で既存の機械翻訳 (MT) エンジンにはかなわないものの、多様なスタイルでの翻訳や特定の指示に沿った翻訳が可能であるため、翻訳の段階に新たな可能性をもたらします。

ポストエディットと品質保証 (QA) — LLM による MT 翻訳の校正チェック/レビューは非常に効果的であることが知られています。LLM を活用することで、人によるポストエディット作業の負担を大幅に削減したり、品質保証 (QA) レポートを精査させることで、既存の問題への最適な対処方法を判断させたりすることができます。また、LLM では対象の事項が問題であるか、簡単に修正可能なものであるか、翻訳者による対応が必要であるかなども判断することができます。

生成系 AI と LLM の現状

現時点で LLM の用途として最も期待できるのはポストエディット作業ですが、一つの課題があります。言語品質については客観的な尺度が存在しないため、企業は言語品質について新たな解釈を受け入れる必要があるという点です。当社のテストでは評価の主観性が実証されています。

3 人のプロのレビュー担当者に同じ訳文を提示したところ、LLM によるポストエディットの出力結果の品質について意見は一致しませんでした。許容可能な品質だというレビュー担当者もいれば、まったく好ましくないという評価を付けた担当者もいました。各テスト ケースで少なくとも 1 人は品質が良いと判断したレビュー担当者がいたことから、出力結果に大きな問題が含まれるわけではなく、LLM は部分的に見ればポストエディットに役立つツールであるという結論に至りました。

「品質で重要なのは、言語専門家の意見よりも目的への適合性である」という考えを受け入れることで、LLM を部分的にポストエディット作業に取り入れることでコスト節減が可能になります。

LLM の利用によるコスト節減効果

LLM をローカリゼーション ワークフロー全体に取り入れて活用することで、ローカリゼーションの成果をさらに高め、労力とコストを大幅に改善することができます。

ポストエディット作業には LLM が効果的であると予測されます。MT で最初の翻訳を行った後に LLM でコンテンツの評価を行い、人間の担当者がポストエディット作業を実施することなどが想定されます。ただし、LLM はそのままの状態であらゆる言語ペアや分野、主題に対応できるわけではありません。ライオンブリッジでは、成果物と経済性の観点から最も合理性のある最適なシナリオの特定を続けています。

当社の調査では、MT による初回翻訳後のポストエディット作業に生成系 AI と LLM を取り入れることにより、言語ペアによってはローカリゼーションのコストを最大 25% 削減できる可能性があることがわかりました。当社は、さまざまなユース ケースや分野について経済的影響の詳細な評価を続けており、初期段階の調査では、その効果は大きなものになることが示唆されています。

発光する電子インターフェイスを押す人の指

今後の展望

LLM は今後も普及し、これからのローカリゼーション サービス業界をさらに変えていくでしょう。当社では、LLM の能力を最大限に活用し、ローカリゼーション ワークフローの自動化をさらに促進するアプリケーションを開発しています。

生成系 AI が進化して急拡大する中で、関連する規制環境の変化にも注視する必要があります。

生成系 AI と LLM の機能が今後も劇的に進化すると予測される中で、その流れにはある程度の規制当局の干渉があるでしょう。規制当局はユーザーを保護し、AI に伴う現実的な危険や倫理的課題に対処する役割を担っているためです。

まとめ: 現段階での活用状況

生成系 AI は、特にポストエディット作業に取り入れた場合にビジネス上のメリットを生み出すことがすでに明らかになっています。ただし、生成系 AI を最大限に活用するにはまだまだ道のりは長く、生成系 AI で実現可能なあらゆるユース ケースの精査を続ける必要があります。

その際には、人と機械の間にある「信頼性の問題 (trust gap)」を解消することが大きな課題の一つとなります。機械による「許容可能な品質の出力結果」の生成をどこまで信頼すべきか、私たち人間の機械に対する評価をどこまで信頼すべきか、といったことを自問することになるでしょう。

ユース ケースごとに評価とテストを行うことが重要になります。ライオンブリッジでは、今後もそれぞれのソリューションについてこうした評価を実施していく予定です。

ローカリゼーションにおける生成系 AI と LLM の詳細な分析については、当社のオンデマンド ウェビナーをご覧ください。また、本シリーズの他のウェビナーについては、ライオンブリッジのウェビナー ページをご覧ください。

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著者
ジャネット マンデル
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