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このガイドでは以下について解説します。
デジタル化は将来に向けた議題ではなく、今目の前にある課題です。多くの企業が直面している課題の中でも、特に緊急の対応を要するものの一つです。デジタル化の波はテクノロジーの進化とともに加速を続けており、企業はこれまでのプロセスを見直し、顧客の要望に積極的に応えることが求められています。
ローカリゼーション部門が単独で業務を遂行できる時代は過ぎ去りました。ご自身やご自身のチームの価値を高めて企業組織に貢献できるよう、デジタル化を受け入れてマーケティング部門と連携するときがやってきたのです。
ライオンブリッジでは、デジタル化に向けたマーケティング部門とローカリゼーション部門の統合のために、この実践ガイドを作成しました。デジタル化を正しく遂行すれば、これらの部門が緊密に連携できる環境を促進し、一貫性のあるグローバル ブランドを維持することで得られる多くのメリットを速やかに享受できるようになります。
マーケティングとローカリゼーションの両部門では、コンテンツの制作、品質評価、分析のループをひたすら繰り返すことを余儀なくされています。このようなプロセスは自律的なもので、調整や緊密なモニタリングを行わないと最終的にはコンテンツの量に対応できなくなり、両部門に大きな負担となってしまいます。
統合を進めることで、マーケティング部門からの要求が増えても余裕を持って対応できるようになります。
目標を達成するには、マーケティング部門とローカリゼーション部門の全員が団結する必要があります。ここでは、デジタル化への取り組みの成否を左右する可能性のある役割をいくつかご紹介します。
デジタル マーケティング担当ディレクターまたは VP
デジタル マーケティング担当ディレクターは、経営陣の見解や意向を代弁する役割を担います。
デジタル オペレーション (DigiOps) スペシャリスト
DigiOps スペシャリストは、マーケティング技術を担当する組織に精通した役割です。
IT 担当ディレクター
IT 部門の関与は、セキュリティとコンプライアンスの観点から重要です。
コンテンツ制作者
実際にコンテンツを制作する担当者たちをデジタル化への取り組みに参加させることが非常に重要です。
ローカリゼーション プロジェクト マネージャー
ローカリゼーション プロジェクト マネージャーは、ローカリゼーション プロジェクトを円滑に進めるための中心的な役割を担います。
ローカリゼーション チーム
統合に取り組む上で、ローカリゼーション チームの賛同なしに成功はあり得ません。
今日のデジタル マーケターは、まさに膨大な量のコンテンツの中を必死でもがいていると言えるでしょう。しかも、そのコンテンツのほとんどは翻訳を必要とするものです。増え続けるプラットフォームにも何とか対応し、どれだけ多くの言語と市場が含まれているかや、顧客がどこにいるのかにかかわらず、いつでも優れたコンテンツを提供するという期待に応えようとしています。
より多くのコンテンツへのニーズが高まっていることから、マーケティング チームは「スピード」を最優先に取り組むようになっています。
その結果、マーケティング チームとローカリゼーション チームの「品質」についての考え方にずれが生じることが多々あります。慎重さを欠くと、マーケティング チームがローカリゼーション チームのプロセスや KPI を考慮せず、世界各国の消費者を対象とした翻訳を場当たり的に依頼するケースが増えたり、マーケティング チームがスピードと結果を求めてローカリゼーション チームとは連携せず、独自に翻訳やローカリゼーションの作業を行ったりする状況に陥る場合があります。
しかし、このようなことで両チームが対立する必要はありません。実際のところ、ローカリゼーション チームはマーケターにとっての救世主となる可能性があるためです。ローカリゼーション部門の知識とスキルを適切に応用することで、マーケティング部門におけるスピードの問題を解決し、企業ブランドを世界中の消費者に宣伝するための大きな一助となる可能性があります。
全般的に、ローカリゼーションの成功は、完璧な仕上がりを保証し、継続的な品質管理を可能にする複雑なプロセスによって達成されることが多くあります。一方で、マーケティングのローカリゼーションの場合は顧客エンゲージメントが成功の指標となります。したがって、マーケティング チームは、消費者の満足度を高め、対象市場にスピーディーに配信されるキャンペーン メッセージを好む傾向にあります。
これら 2 つの目標は互いに相容れないもののように見えますが、実はそうではありません。その解決策として、これら 2 つの優先事項に対応するワークフローをセグメント化して構築することが考えられます。
品質とスピードの両面で成功を収めるには、このようなワークフローを共同で構築し、両優先事項のバランスをうまく取り、その緊密さを維持しましょう。こうすることで、ワークフローを効果的に統合することができます。品質管理を重視する従来型のローカリゼーションと、オムニチャネルで多角的なデジタル キャンペーンにおけるスピードが求められるマーケティングに対して、個別の KPI による測定を継続的に行いましょう。
自動化は、デジタル化プロジェクトが長期的に成功するか短絡的な成功に終わるかを左右する大きな要素です。将来を見据えたシステム構築に役立つほか、作業量が増えても処理が手に負えなくなることはありません。
マーケティングと翻訳におけるテクノロジーの連携
マーケティングと翻訳のそれぞれのテクノロジーを連携させることの価値とメリットを理解することが大切です。ローカリゼーション部門が既存のマーケティング システムを利用し、そのシステムに翻訳テクノロジーをリンクすることができれば、マーケティング部門もローカリゼーション部門のサービスを利用する可能性が高くなり、結果として、制作するグローバル コンテンツの品質向上につながります。
プラグインを使用したマーケティング ツールへの統合
マーケターにとって、既存のシステムから直接翻訳を開始できる機能は理想的なソリューションとなります。マーケターは、必要なコンテンツの翻訳を対象言語を指定して自動的に開始できるだけでなく、プロジェクトのスケジュールに関する通知を受け取り、成果物を追跡する必要もあります。しかも、これらを、愛用しているコンテンツ管理システム内で行いたいと考えています。
機械翻訳 (MT) の採用
機械翻訳アルゴリズムは、明瞭かつ明白な目的を持つ、繰り返しの多いテキストや予見可能なテキストに対して最も有効に機能します。このようなテキストに対して機械翻訳アルゴリズムを利用すれば、スピードに関するマーケターからの要求に十分に応えることができます。さらに、機械翻訳を導入することで、より複雑で高品質を達成することが難しいコンテンツに翻訳チームの労力をより多く割り当てることができるようになります。
適切なチームを選ぶことで、ローカリゼーションの取り組みを劇的に向上させることができます。このことは、社内と同様に社外にも当てはまります。
デジタル面を熟知した御社のローカリゼーション チームに対して、ローカリゼーション パートナーは以下のようなサービスを提供できます。
デジタル化は容易ではありませんが、実施する価値は間違いなくあります。マーケティング部門と統合してワークフローを改善し、自動化を進めることで、コンテンツをめぐる作業過程のすべての段階で所要時間と品質を改善することができます。また、ローカリゼーションへの取り組みを実際の成果に結び付け、その影響をマーケティング チームの KPI (直帰率、エンゲージメント指標、コンバージョン統計など) に反映させて確認することができます。そして何よりも、市場、メディア、言語を問わず、顧客の心を掴む一貫したブランドの構築に貢献できます。
ガイド全体を読むには、次の画像をクリックしてください。